Usaoの部屋

”自分の気づきは、きっと誰かのためになる”というスタンスで日々更新します。

努力は必ずしも報われない。それはやり方が間違っているからだ。

今回は人生のTIPS"努力"について。

 

”努力は必ず報われる” という言葉を頻繁に耳にします。いかにも教科書に載っていそうな言葉です。そして私が疑問に思う言葉でもあります。

”必ず”がついていなければ、幾分か腑に落ちるのかも知れませんが、ここで揚げ足を取りたい訳ではありません。これから”なぜ努力は必ず報われる訳ではない”のかを、3つの論点でお話しします。

 

 

適切な目標を設定する

目標が適切出ないと、努力は必ずしも報われません。

Wikipediaで”努力”を検索すると、次のような説明が出てきます。

努力(どりょく)とは、目標を実現するために、身体を使ってつとめること

 ここで一番に出てくるのは”目標”です。目標を実現するための努力です。しかし、その目標設定が適切で無い場合、努力は報われ無い可能性があります。

例として、次の目標設定をご覧ください。

  Aさん Bさん
筋トレ この夏に向けて、筋トレする 仕事帰りに毎日1時間ジムに通う。 大胸筋を重点的に鍛えるメニューをこなす。7月末でジムは解約する。
英語学習 前回のTOEICが300点だったので、来月は満点を目指す! 1ヶ月後のTOEICに向けて、毎朝晩50単語は必ず3回復唱する。

パッと見ただけでも明らかな差がある思います。Aさんは恐らく目標設定というよりは、思いつきでしょう。三日坊主で終わりそうな気がします。

厄介なのは、そこで三日も無駄にしてしまうことです。不適切な目標を設定してしまったことで、達成できないばかりか時間も浪費しています。

そうならないために、適切な目標設定が重要となります。ここでは、目標設定のフレームワークである、"SMART"に法ってAさんとBさんの違いを見ていきたいと思います。

 

Specific:具体的である

→Aさんは筋トレの具体例が無いのに対して、Bさんは大胸筋を重点的に鍛えるという具体例があります。

Measurable:計測できる

→Aさんの目標は計測できる要素が含まれていません。Bさんは”毎日50単語覚える”と数字に落とし込まれているので計測できます。

Achievable:現実的に達成可能である

→Aさんの300点からの短期TOEIC満点は現実的ではありません。Bさんの目標は現実味があります。

Reslut-Oriented:成果に基づいている

→Aさん夏に向けて筋トレは何を成し遂げるためでしょうか?Bさんには立派な大胸筋がついてきます。

Time-Bound:期限が明確である

→Aさんに期日設定はありませんが、Bさんには期日があります。

 

SMARTを用いて考えることで、目標をより明確に、意味のあるものにします。ここではSMARTを取り上げましたが、目標設定のフレームワークは多種あります。ご自分にあったものを選定してみてください。*1

 

 

適切な目的を設定する

目的が適切でないと努力は必ずしも報われません。

目標と目的、とても似ていますがWikipediaには次のようにあります。

目的は「成し遂げようとすることがら」で、目標のほうは(その)目的を達成するために設けためあてのことである

目的が最終ゴールで、目標が通過点ということかと思います。

先ほどのAさんとBさんの例では、Aさんの目標は”成し遂げようとすることがら”なので、目的に近いことが分かります。しかし、英語学習でも現実的でない内容なので、目的と考えてもやはり不適切です。

適切な目的を設定するためには、自分の興味関心と向き合うことが重要です。成し遂げようとすることがらは、自分の興味関心から生まれます。今、自分は何が好きか、自分は何をしたいか・自分は何をすべきかを熟考することで生まれます。

また、もう一つ重要なことは難易度を考慮に入れることです。目的が低いレベルの場合には、達成感を得ることもできず、努力が報われたとは言えないと思います。さらには、努力を必要とせず達成できてしまう物もあるかも知れません。

適切な目的を設定するに次の3つを自問自答してください。

  1. それは”今の自分の興味関心にあっているか?”
  2. それは”なぜやるべきなのか?”
  3. それは”自分に何をもたらすのか?”

できれば、一巡するだけでなく、1〜3の”なぜ?”を繰り返してください。そうする事で、目的がより本質に近づきます。

 

時間の使い方について

最後に時間の使い方についてです。時間の使い方は、目的・目標を達成する上で重要な要素です。どんなに良い目的で、一つ一つ地道に目標を達成していたとしても、時間切れになってしまったら、努力は報われません。

人生は有限です。決して大げさな事ではありません。使える時間は限られ、少しづつ消費しています。時間は限られているにも関わらず、世界は情報や物が溢れ、多様化し、興味関心事は増える一方です。

”成し遂げたいこと=目的”を、出来るだけ多く達成するために、ここでは時間の使い方をマイルストーンに法って考えてみたいと思います。

マイルストーンとは、ビジネスで頻繁に使用される工程管理ツールです。ビジネスでの意味は「中間目標」です。目的を達成するために必要な目標(複数可)を決定し、期日を決めて管理します。各目標に期日があるため、進捗具合が一目瞭然です。ビジネスでは、これをエクセルやwebベースのガンチャートで管理・共有していますが、個人レベルでここまでするのは少し大袈裟かもしれません。

 

注目したいのは、目標と期日の”見える化”です。カレンダーであれ、メモ帳であれ、目標と期日の設定が適切にされており、常に見返せる状態になっていることが重要です。予定より遅れているのか、進んでいるのか進捗が不明な状態では、人の心理に何も働きかけません。マイルストーンを徹底することで、時間の管理意識が身につきます。

 

まとめ

”努力は必ずしも報われない”と理由を3つの論点から徒然と書きました。ここで重要なことは、目的と目標、そしてそれに費やす時間の適切な設定です。この3つを意識しないと、せっかくの努力が水の泡になる可能性があります。このTIPSは、私生活・仕事に関わらず通用するものです。(目的・目標・時間設定の難易度は低めから徐々に上げる事をお勧めします。)

 

おまけ

ここで改めて思うことは、”なぜなぜ”や”マイルストーン”を徹底する会社は多くあります。しかしそれを取り入れている学校を聞いたことがありません。

勉学を主とする学生は、目標の連続です。数値で評価しやすく、期日も明確なカリキュラムは、正に目標設定のお手本だと思います。しかし、そこに明確な目的はあるのでしょうか?それは”なぜなぜ”を繰り返した結果なのでしょうか?

Input学習が主な現状のカリキュラムでは、主体的に考え行動する事の大切さが分かっていても、それを実践する場が少ないのではないでしょうか?(むしろ勉学重視の学校ほど、数値目標以外の要因は除外する傾向にあります。)

一般社会では、物事に模範解答が存在する事の方が珍しいと思います。常にOutputを求められ、主体的に考え行動する事を求められます。生活が多様化し、終身雇用も徐々に薄れ、AIの活躍が謳われる今、キャリアプランは誰も用意してくれません。そしてそれは明らかです。

自分で考え、柔軟に先を読み、備え、実践することがとても重要となります。今回のTIPSの活用で、より良い選択を自分の意思で選ぶことができる。一助となれば幸いです。

 

*1:”目標設定” ”フレームワーク” と検索すれば、たくさん出てきます。