Usaoの部屋

”自分の気づきは、きっと誰かのためになる”というスタンスで日々更新します。

就活に本当に必要だった3つのもの。就活から6年経って振り返る。

結果から先に言うと、天職だと思えるぐらい好きな仕事ができています。
俗に言うライフワークバランスにも満足しており、自分は恵まれているなと感じます。
ありがたいことに友人からも、「そんな風に仕事がしたい」「就活中にそうするべきだった」と頻繁に声をかけられます。

しかし就活当時、友人からかけられた言葉は次のものです。
「推薦使わんとか何で?(理系あるある)」
「無名の企業をなぜ調べる必要がある?」
「もっと他の企業も受けろ、就活はそんなに甘くない」

過去と今を比較して、自分が正しかったと言うつもりもありません。
ただ、少なくとも今の自分に納得できるのは、考え抜いて行動した結果であると思います。
就職活動において何が正しいかを自分なりに突き詰めたことで、自分の中に太い芯が出来上がりました。

そして6年経った今でも、その芯はブレることなく存在し、役立っています。
何が正しいかなんて、時代や環境で変わります。
ただ、原理・原則として変わらないものもあります。
今の就活生にそのまま役立つとは思えませんが、何か参考になればと思い残します。

やりたいことがないなら、なりたい自分を考える

皆さんはやりたいことがありますか?
私は大学三年で就活を意識した際、この質問に答えられませんでした。

ただ周囲に合わせて大学に進学し、流されるままに遊びとバイトに没頭していた割とダメな方の大学生です。
似た者同士が集まっていたので、特に危機感もなく過ごしていました。

当時の私は、”学力が高い=良い大学に入れる=良い企業に入れる=良い人生を送れる”と言う構図以外ありませんでした。
バイトと遊びに没頭していた私の学力が高いはずはありません。
つま自分の場合は、有名企業には一先ず入れなさそうという認識はありました。
取り敢えずやりたいことができて、無難そうな企業を見つけようとネットで検索していたのを覚えています。

当たり前ですが、やりたいことが自分でもよく分かっていないので、うまく企業が定まりません。
「仕事を始めたらやりたいことに変わるかな?」とも思いましたが、一旦就活をそこで中断しました。
就活どころじゃない、色々やばい!」って感じたのを覚えています。
思い返せば今までの人生、自分で決定してきたつもりですが、あまりにもその場凌ぎ。
10年、20年先のことなんて全く考慮されていませんでした。
就活を中断したのは、またその場凌ぎで対応してしまう自分が怖かったからです。
もちろん失敗したらやり直せば良いのですが、ためにならない失敗はしたくありませんでした。
今になって思えばこの決断がその後の自分の人生に大きな影響を与えています。

就活を中断して最初にしたことは、本当にやりたいことを考えました。
圧倒的にやりたいことを見つけて、何なら起業してやろうと考えていました。
ただ、どんなに考えても中長期でやりたいことが思いつきません...(大抵が2,3日あれば十分です)

嫌いなものも多いですが、好きなものは思いついたら何でも試したいです。
後に気づいたのは、そんな私がやりたいこと基準で考えても一つに定まらないということです。
仮に定まっていたとしても、おそらく直ぐ変わります。

ここで当てはまった言葉が、人の興味関心は常に変化するということです。
今後の自身の成長環境の変化によって、やりたいことなんて変わり続けるはずです。
やりたいことは今まで通りその場で考え続けて、中長期の将来像を立てようという視点に変わりました。
”やりたい”から”なりたい”へ。

当時は次の様に、なりたい自分を箇条書きしました。
・常に成長し続けている
・多種多様なことに挑戦し続けている
・ある程度の年収
・英語は堪能

などを挙げました。
堕落した大学生にも関わらず、案外高望みな”なりたい自分”を選択していることに自分でも驚きました。
いつからか色々諦めてしまっていたんだろうなと思いつつ。
まだ間に合う、自分を変えていこうと決心したことを覚えています。

ちょうどその時期に、研究室の配属が決まりました。
これまでのインプット型の学業と異なり、常にアウトプットを求められ、自由に取り組める”研究”に夢中になりました。
研究を続けたい、なりたい自分への準備をしたい、という思いから大学院進学を決めました。
大学院に進学の際に決めた自分ルールが2つあります。
⑴研究を疎かにしない
当たり前ですが...
特に、ものづくりをずっと続けたいと考えていたので、基礎を固めたいと考えていました。
例え企業に入ったとしても、研究開発に対するアプローチや姿勢は役立つはずと考えていました。
⑵ポータブルスキルを身に着ける
これは、”なりたい”自分に近づくために徹底した事です。

徹底的にポータブルスキルを鍛える

ここでのポータブルスキルとは、次の3つを指します。
⑴問題解決スキル
課題設定から解決まで、論理的に思考できるスキルを指します。
⑵コミュニケーションスキル
言語能力(英語や中国語)に加え、人との関係性を築けるスキルを指します。
⑶モチベーションスキル
常に自分の気持ちを制御して、高いパフォーマンスを実現するスキルを指します。

これらのスキルは、これから先どんな職種に就いたとしても汎用性のある(持ち運び可能=ポータブル)スキルです。
当時の私が、勝手定義した持論です。
高々3年(学部と院の3年間)の研究で、これから先の仕事を絞る必要はない。それよりも、研究に対する成果の出し方の素養が身についている方が大事。加えて社会人基礎力とも言えるポータブルスキルを身につけた方が、企業から見ても魅力的な存在であろう。」
※もちろん研究テーマが天職だった場合もあるかと思います。

ダーウィンの進化論を引用するなら、個体の大きさや強さが生き残る要因ではなく、
変化に柔軟であることが大事とあります。
私はこのポータブルスキルが変化に柔軟に対応するための秘訣だと確信しました。
そして私の知る限り、これはなかなか学校では教えてもらえません。

私の場合は、研究を通し問題解決能力を高め、ワークショップへの積極参加でコミュニケーションスキル、及びモチベーションスキルを高めました。
英語は大の苦手でしたが、この先避けることは出来ないと判断し、3ヶ月の短期留学で集中的に強化しました。

決して就活のためではなく、将来なりたい自分のために行ったことですが、結果として就活準備の7割はここで終えていたのだと思います。
自分の準備が整ったので、いよいよ会社選びです。
※この時点で、特に起業願望も無かったため、改めて就活を選択しました。

四季報を隅々まで確認し、3社に絞る

これまでで自己分析の作業は終了です。
なりたい自分を定義し、それに向かって努力した結果があれば、自分に対するどんな質問も矛盾なく自信を持って回答できます。

基礎を固めたならば、次はその土俵を選択しなければいけません。
ますはじめにした事は、重要性フィルターの作成です。

重要性フィルター
■重視するもの
・研究開発
・自主性の重視
・海外への展開性
・収入

■重視しないもの
・ブランド
・起業規模

このフィルターはなりたい自分と価値観から生まれたものです。
最終的な企業選択にはこの重要性フィルターをかけます。
しかし、数ある企業にこのフィルターをかけるには大変で
す。オートフィルターでも無いので、1つ1つ自分で確認しなくてはなりません。
そこで、私の場合は四季報を使用し、数値データで絞り込みをかけました。

絞り込みに使用したのは、次の数値フィルター(数値は任意に設定)です。
・成長率
・経常利益率
・自己資本比率
・年間開発費率

一枚ずつ四季報をめくり、上記数値フィルターを達成していなければ、そのページを破る。
達成していれば、先ほどの重要性フィルターにかけ、これも達成していなければ破る。
私の場合はこの作業で10社程度を機械的に絞り込みました。
その後は企業ホームページや各種サイトを熟読し、3社まで絞り込みました。
その中でも第一志望の企業の選考がたまたま早かったため、内定が出た時点で就活を終えました。

やってはいけないと感じていたことは、多数の会社を受けることです。
数十社や、百社近く受けているという方もおられましたが、数社受ける人と比較し圧倒的に情報が薄くなります。
また、複数社受ける人に限って、自己分析も曖昧で、面接でぶれぶれな印象があります。(これは自分が面接する立場になって思う事です)

まとめ

冗長な文になってしまいましたが、ポイントをまとめます。
社会人を6年経験して、本当に就活に必要だったと言えるものは、次の3つ。
⑴将来なりたい自分像を明確にする
これを明確にしなければ、目標設定を明確にすることができません。
自分の興味関心と、スタイルを考慮して、深掘りしてみてください。
キャリアは企業が準備するものではありません。
常に自分で考え、選択する必要があります。
企業は、そのなりたい自分やキャリアを実現するための土俵です。
仕事は、そのための手段だと考えます。

⑵ポータブルスキルを鍛える
社会を生き抜くには変化に強くなければいけません。
もちろん専門性を身に付ける事は重要です。
しかし、その専門性が必要とされなくなった場合、最速で切られるのはその部門です。
何が起きても柔軟に対応できる(最速で学び直し修正できるetc...)様になるために、社会人の基礎力を向上させる事は必須です。
ここでは、問題解決、コミュニケーション、モチベーションを挙げましたが、これは当時のことです。
今必要とされるポータブルスキルは増減していてもおかしくありません。
常に何が必要か、感度を上げてサーチしておく必要があります。

⑶企業研究を徹底する
本命でない企業を手当たり次第受けるのは得策とは言えません。
時間の無駄です。
自分で決めたフィルターをかけて絞ることが大事です。
フィルターには上で説明した様な数値パラメータと重要性フィルターを用います。
客観的に企業の状態を把握する事と、自分の価値観が重なる企業を選択します。
最終的には数社に絞り、何でも知っている状態がベストだと思います。

以上が、「就活に本当に必要だったもの。就活から6年経って振り返る。本当に効果があった3つのこと」です。
6年経った今でも、この時の経験が生き続けてると日々実感しています。
この記事が少しでも読者の皆様のお役にたてば幸いです。