意外と簡単DIYで水耕栽培を楽しもう!--水槽で水耕栽培--
今回は自宅STUDY"水耕栽培(水槽編)"の検証結果を書きます。
私、実は幼き頃から植物を栽培することが大好きです。
夢は”でっかい畑で農業!!”と思いつつも、東京でエンジニアしております。
今までマンション暮らしで植物の栽培は現実的でないと思っていましたが、流行り?の水耕栽培を試してみました。(少し前ですが。。。)久々の植物栽培のワクワクと奮闘をまとめます。
個人的な水耕栽培のメリット・デメリット
まず始めに水耕栽培における個人的見解です。
メリット
- 土を使わない(室内でも虫が寄りにくい)
- 無農薬で育てられる
- 天候や気候に左右されないので安定して収穫できる
- 環境を適切に保てるので成長が早い
- 自然の加湿器&目に優しいしインテリアになる
デメリット
- コストがかかる(イニシャルコスト・溶液代・電気代など)
- ある程度のスペースが占有される
- 太陽光の力を借りれない場合は徒長(日光不足で、もやしの様にひょろっと成長する現象です。徒長 - Wikipedia
)しやすくなる - 根菜育成は困難
基本的に、植物工場であろうと個人であろうと、水耕栽培を室内で実施するメリット・デメリットは共通であると思います。そして、おそらくデメリットは主にコストではないでしょうか?費用対効果を真剣に検討する場合は、それなりの試算が必要かと思います。
今回は水槽(アクアリウム用)を使った水耕栽培の紹介です。ちょっとしたDIYで野菜がすくすく育ちます!今回は次の野菜を育てました。育成難易度は私の主観です。
種類 | 育成難易度 | 育てた野菜 |
葉物 | 低 | サニーレタス、大葉、ルッコラ、みつば、バジル、ねぎ |
果実 | 中 | トマト |
根菜 | 高? | 未実施 |
室内水耕栽培のための下準備
次に、室内水耕栽培のためのちょっとしたDIYを行います。下表は、今回私が用意した一例です。機能を果たせば何でもOKと私は考えています。
種類 | 品名 | |
筐体 | エーハイムグラス水槽 EJ−60 | |
エアレーション関連 | 水心 SSPP-3S | |
いぶきエアストーン | ||
ソフトチューブ GX-72 | ||
光源 | 植物育成用 LEDライト | |
支柱(根の支え) | 鳥よけネット | |
その他 | アルミホイル | |
黒いビニールテープ | ||
飲み干したペットボトル | ||
各種 | 種 |
筐体は水を溜めることができれば、特に選びません。私の場合は、観葉の要素も含めたかったので見栄えが良くなる水槽を選びました。
エアレーション関連がなぜ必要か疑問に思う方もおられるかと思うので補足します。土壌菜園をしている時は気になりませんが、実は植物は根で呼吸をしています。土の粒子には適度の隙間があり、その隙間が空気の通り道となって根に酸素を供給しています。よく聞く根腐れは、だいたい水やりのし過ぎでこの隙間が埋まり、呼吸できないことが原因です。話を水耕栽培に戻します。根は水で覆われており、水中の酸素を根から取り込んで呼吸をしています。つまり、その酸素を供給するためにエアレーションが必要になります。まるで熱帯魚を飼っているみたいですね。*1エアストーンは静音性を重視して選定しました。
光源は植物にとって重要です。ベストはもちろん太陽です。昼間天気の良い時が10万ルクス*2、私の使用した光源ではせいぜい1000ルクス程度なので、100倍程度の差があります。ただ、葉物野菜は意外に育ちます。植物によって生育に必要な光量は異なりますが、我が家ではサーニーレタスなど陽性植物の近くに光源を設置し、大葉など陰生植物からは遠ざける工夫をしています。*3
支柱(根の支え)は 、植物を固定するために使用します。土壌が無い水耕栽培では、植物を支える土台がありません。私がよく使用しているのは、DAISOにあるカラスよけネットです。ハサミで切れますし、熱で溶けるの結合も自在で使用し易いです。
その他も100均でだいたい揃います。むしろ100均にあるものでほぼ水耕栽培は可能だと思っています。光源も日当たりの良い室内なら、窓際で十分栽培できます。(我が家は非常に日当たりが悪いので光源を用意しています。)
DIYで水耕栽培の環境づくり
①水槽の側面をアルミホイルで覆う。光を水槽内に反射させて有効活用
②エアレーションの設置
③給水用ペットボトルの設置
下記イラストのようにペットボトルに穴を開けた物に、穴以外をビニールテープで遮光して設置します。(サイフォン - Wikipediaの自動給水器です。)
穴の位置大きさは、欲しい水位に調整してください。
尚、ビニールテープで遮光しておかないと、ペットボトル内部に藻が発生しやすくなります。
④先ほどの支柱を、水槽前面に設置します。(エアレーションが見えるように真ん中を空けていますが、ここも支柱で埋めます。)
⑤アルミホイルで支柱の前面を覆います。ペットボトルを遮光した理由と同じで、藻の繁殖を抑制します。加えて、臭いもかなり抑えられます。
ここまでで、水耕栽培を始めるためのDIYは完了です。
発芽の準備
環境を整えた水槽でさっそく野菜を育てていきたいのですが、最初に使用できません。種を発芽させ、ある程度の大きさ成長した苗の状態で定植します。
それでは、種を発芽させるための苗床の準備をします。私は苗床に、スポンジを用いています。特殊なスポンジではなく食器洗いのスポンジをハサミで適当なサイズにカットします。カットしたスポンジの表面に浅く切り目を入れて種を挟み、水を含ませます。(水は水道水で構いません。)適当な容器に水を張り、スポンジ内を乾燥させないことが重要です。また、スポンジの表面を感想させないために、トイレットペーパーをスポンジに被せると乾燥を防ぐことができます。
下写真のように、容器は特に重要で無いですが、種ごとの発芽条件に注意してください。購入した種のパッケージに記載されていますが、発芽時の適温(しいては栽培時の温度)が異なったりするので、なるべく同じ条件の野菜を選んだ方が良いかと思います。*4種類によりますが、発芽は2、3日で1〜2週間程度で定植できる大きさに育ちます。スポンジを裏返してみて、十分根が伸びていたらOKです。私の場合は5cm以上を目安としています。
ハイポニカ液体肥料での栽培
それでは、ついに定植です。水耕栽培ですが、完全に水だけで育てることができません。成長するための養分が必要です。ここでは、水耕栽培でとても有名な液肥を使用させていただきます。水耕栽培ではこの液肥を500倍に希釈して使用しますが、成長段階に関わらず使用できるのでとても楽です。
発芽から2週間程で定植した際の写真です。殺風景ですが、可愛らしい苗が出ております。尚、体裁を全く考慮していない写真ですみません。
少し苗が大きくなってきました。LED光源の照射時間ですが、8:00-18:00の10時間で設定しています。LED光源の照射時間については、果実や花を考慮せず、単に個体を大きくする分には24時間照射でも構わない例があるようです。これについては、別途検証したい項目です。今回は多種品種にまたがり、果実野菜であるトマトもあったため、日光の照射時間を模擬しました。
支柱の上を覆っているアルミホイルが大分見えなくなってきました。左の方に割り箸のやぐら(トマト用)を作ってみたのですが、結局最後まで意味をなさなかったので無視してください・・・。
定植後15日を過ぎたあたりから、伸びきった葉は徐々に切り取りサラダにしています。摘み立て新鮮野菜はとても美味しいです。
葉物系は成長が早いのでしょうか?それから毎週、下の写真ぐらいの収穫が3ヶ月程度続きました。下の写真が1食分とし、毎日一食サラダを食べるとすると・・・、少なくとも水槽7台で発芽の時期をずらして栽培ということになります。面積的にもコスト的にも、実運用では大分工夫が必要ですね。
まとめ
水耕栽培をDIYで試してみました。 ズボラな私は、”まずやってみよう”でスタートしましたが、無事収穫でき美味しくいただくことができました。植物の生命力に本当に感謝です。
以下、次回に向けて気づき&改良点もまとめます。
- 定植の間隔が近過ぎた。大きく育つことを全くイメージできていませんでした。
- 水槽である必要が全くない。下から水を抜けず、重い。シリコーン製の大きな容器の方が加工性にも優れ良さそうですね。
- コスト面への考慮。電気・水道代など、次回はきちんと費用をまとめたいです。
- ペットボトル式給水には限界がある。容量も小さいですし、水が切れたら自分で足す必要があります。できるだけ簡素に仕上げたいのですが、電動ポンプに頼ろうか検討中です。
- 栽培データを全く取っていない。水耕栽培を楽しむ事がコンセプトだったので良いのですが、栽培についてもっとデータを残すべきでした。次回は、各センサ(画像、照度、静電センサ...etc)とArduinoやラズパイを駆使して遊べたらと思います。
最後に
照度が足りなかったのでしょうか。個体が大きくなるばかりで果実は1つしかならなかったミニトマトです。栽培に関する知識もつけて、次は豊作にしたいです。一粒に凝縮されたのか、とても甘いトマトでした。
水耕栽培に興味の無かった方が、このブログを通して少しでも興味を持っていただければ幸いです。